世界中さまざまな美術館にいったほうだとおもう。
フリーダカーロの家はこじんまりと凝縮、そして洗練されていた。バラガン邸の意図した自然光の取り入れ方に激しく共感もした。砂漠の街マラケシュにあるサンローランの別宅、群青色の美しい壁は赤茶の砂埃の街とは対照的な生命感のあるブルー。木々は生い茂り、たくさんの錦鯉が泳いでいた。初夏の、白夜のたそがれ時にみる薄緑色なエカテリーナの別荘は可愛らしくもあり凛とした美しさ、なにより堂々とした佇まいであった。
トレチャコフの明るい建築は冬のモスクワの陰鬱な空のもと、そこだけは春だったのだ。
しかし日本にもすてきな美術館はある。京都・祇園にある祇園。その中に位置する登録有形文化財・八坂倶楽部を会場にしていた「フォーエバー現代美術館」 館内展示室は総畳敷きで、壁は展示室ごとに京都の五花街で見られる「浅葱(あさぎ)色」「弁柄(べんがら)色」といった日本古来の色彩がふんだんに用いられ、その美しい空間も魅力のひとつ。
外に目を移せば手入れの行き届いた美しい庭には清水がこんこんと湧き、カラフルなヒゲ野郎がゆったり泳ぐ。世界中見渡してもこれだけの空間は数えるくらいであろうと断言してもいい。
コンクリートや石の牢屋に作品を閉じ込めるばかりではなく、このような空間で作品を展示開放してくれる。そんな素敵な美術館が増えていってほしいとおもう。
しかしあえてフォーエバーな美術館に1つだけ改善を提案したい。この池にはみた目地味ではあるが鱒族が泳ぐべきではないかと。。
そして釣らせておくれ。
See you